微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

孔子の教えは非現実的か?

君子の道がどうして
現実離れしているのだろうか?
 
君子の道は
ほんの少し意識を変えるだけ。
誰でも歩むことができる。
 
 
君子の道は、辟えば遠きに行くに必ず邇(ちか)き自りするが如く、辟えば高きに登るに必ず卑(ひく)き自りするが如し。(後略)(中庸第十五章・仮名中庸24頁)
君子の道は、たとえば遠い所へ行くときには、必ず近い所から歩き始めるような、たとえば高い所へ登るときには、必ず低い所から登り始めるようなものだ。
 
 
冉求曰わく、子の道を説(よろこ)ばざるに非ず、力足らざればなり。子曰わく、力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画(かぎ)れり。(雍也第六・仮名論語71頁)
弟子の冉求(冉有)が言いました。
「先生の教えがわからないのではないのです。ただ私が力不足なため、先生の教えを行うことができないのです」
これに対して孔子先生が言われました。
「力が足りないかどうかは、力の限り努力してみなければわからない。本当に力の足りない者は、途中で力尽きる。今のおまえは、はじめから自分の力を見限っているだけだ」