微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

忙しいは心を亡くす

忙しいは
心を亡くすと書く。
 
 
忙しくても
人を思いやる心は亡くすまい
と思いたい。
 
 
子曰わく、富と貴とは、是れ人の欲する所なり。其の道を以て之を得ざれば、処らざるなり。貧と賤とは、是れ人の悪む所なり。其の道を以て之を得ざれば、去らざるなり。君子は仁を去りて悪くにか名を成さん。君子は食を終るの間も、仁に違うこと無く、造次にも必ず是に於てし、顚沛にも必ず是に於てす。(里仁第四・仮名論語38頁)
孔子先生が言われました。
「富貴は誰でも欲しいもの。しかし、仁の道に反してまでそれを守ろうとは思わない。貧賤は誰もが嫌がるもの。しかし、仁の道に反してまでそこから抜け出そうとは思わない。君子は仁の心を亡くしてでも成功しようなどとは考えない。君子は食事をしているときも心から仁を離さず、あわただしいときでも必ず仁の心があり、つまずいて転びそうな時でも仁から心が離れることはないのである」