微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

先生の負担を軽くする

学校の先生に鬱病が多いらしい。
多忙というのがその原因のようである(昨日の日本経済新聞朝刊より)。

忙しいとは、「心+亡」。
忙しくて心を亡くしている状態の先生が
いじめ対応などできるはずもない。

いじめによる自殺が増えた原因は、
先生が忙しすぎることにもあるのではないだろうか。
 
 
思うに、
家庭教育が充実していないから、
学校への依存度が増し、先生の負担が重くなっているのである。
 

教育基本法10条1項は、家庭教育について次のように規定する。

「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」
 

論語こそ、
家庭教育を充実させ、子どもの自立心を育成し、
子どもの心身の調和のとれた発達を図るための最高の教材である。
 
 
子曰わく、富(とみ)と貴(たっとき)とは、是(こ)れ人の欲する所なり。其(そ)の道を以(もっ)
(これ)を得ざれば、処(お)らざるなり。貧(まずしき)と賤(いやしき)とは、是れ人の悪(にく)む所なり。其の道を以て之を得ざれば、去らざるなり。君子は仁を去りて悪(いず)くにか名を成さん。君子は食を終るの間も、仁に違うこと無く、造次(ぞうじ)にも必ず是(ここ)に於(おい)てし、顚沛(てんぱい)
にも必ず是に於てす。(里仁第四・仮名論語38頁)
孔子先生が言われました。
「富貴は誰でも欲しいもの。しかし、仁の道に反してまでそれを守ろうとは思わない。貧賤は誰もが嫌がるもの。しかし、仁の道に反してまでそこから抜け出そうとは思わない。君子は仁の心を亡くしてでも成功しようなどとは考えない。君子は食事をしているときも心から仁を離さず、あわただしいときでも必ず仁の心があり、つまずいて転びそうな時でも仁から心が離れることはないのである。」