微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

賢を賢として色に易え(論語、学而第一⑦)

「賢を賢として色に易え」を
どう解釈するか?
 
 
「賢」と「色」はそれぞれ、
次の章句を参考にすると
分かり易いように思う。
 
 
子曰わく、賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みるなり。(里仁第四・仮名論語44頁)
孔子先生が言われました。
「賢い人を見れば自分もそうなりたいと思い、賢くない人を見れば自分はどうか反省する」
 
 
子曰わく、吾だ徳を好むこと、色を好むが如くする者を見ざるなり。(子罕第九・仮名論語120頁)
孔子先生が言われました。
「私はまだ女性の美しさを好むほど、徳を好む者を見たことが無い」
 
 
すると
「賢を賢として色に易え」は
次のような解釈になろうか?
 
 
子夏曰わく、賢を賢として色に易え、父母に事えて能く其の力を竭し、君に事えて能く其の身を致し、朋友と交るに言いて信あらば、未だ学ばずと曰うと雖も、吾は必ず之を学びたりと言わん。(学而第一・仮名論語4頁)
子夏が言いました。
女性の美しさを好むよりも賢人の道を好み、父母には全力で孝を尽くし、君主にはその身を正しくしてお仕えし、友人には誠をもって交流する。このような人がまだ学んでいないと言ったとしても、私は必ず学んでいると言うだろう」