微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

もっと子供を可愛がって良い

親からの愛情を実感して
育った子供は
自分の体は親の愛情で出来ていると
実感しているからだ。
この感情を「孝」という。
 
 
自分を大切にする人は
他人も大切にする。
他人にも親がいて
その愛情で出来た存在だと
容易に想像できるからだ。
この感情を「恕(おもいやり)」という。
 
 
思いやり溢れる
人間社会(仁)の根底は
親から子への愛情なのである。
 
 
論語には
親から子への愛情について
特段の章句は無い。
親が子を可愛がることは、
当たり前だったからだろう。
 
 
だが、
最近の親子にかかる異常な事件や、
幼い子をもつ人が夜遅くまで
働くのを強いられる実態を見ると、
私たちは子供への愛情が
当たり前ではなくなっている
のではないか?と思えてしまう。
 
 
「銀(しろがね)も
 金(くがね)も玉(たま)も
  何せむに 
   勝れる宝 
    子にしかめやも」と詠み、
日本奥地紀行でイサベラ・バードが
「私はこれほど自分の子供を
可愛がる人々を見たことがない」
と書いた。
 
 
私たちの祖先は
現代の私たちより遥かに
子供のことを
可愛がっていたのである。
現代の私たちはもっと
子供を可愛がって良い
のではないだろうか?

「逝きし世の面影」(渡辺京二平凡社より)↓

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