微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

脳を鍛えるトレーニング

こんな本を読みました。
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以下ざっくり、要約です。
 
『私たちは、体を鍛えるために、トレーニングをする。
脳も体の一部なのだから、脳を鍛えるには、トレーニングが必要だと考えた。
そこで、何をすれば脳が活発に働くのかを調べてみた。
その結果、単純なことをしているときに脳が活発に働く、という意外な事実を得た。(35・36頁)
 
効果的な方法が音読である。
文章を読んでいるときは、前頭前野頭頂葉、側頭葉、後頭葉のさまざまな場所が、
左右両側とも活性化するのである。
しかも、黙って読んでいるときよりも、声を出して読んでいるときの方が、
これらの活性化は更に強くなるのだ。(42・43頁)
 
読むのは何でもいい。要は、飽きずに毎日続けること。
面白いことに、よく分からない内容のものでも、
とにかく音読をすれば、脳が活性化することが分かっている。
毎日10~20分、それも朝に音読すると脳の神経細胞が活発に働き、
それに伴って脳の血流が改善し、脳の健康増進効果が得られる。(48・49頁)
 
音読は脳の全身運動になる。
音読が脳の機能を維持し、また発達させるのに有効だと、まずは特筆大書しておきたい。(54頁)』
 
 
脳を鍛えるためには、
「よく分からない内容のものでも、とにかく音読をすれば」良いのだそうです。
しかも「毎日10分」で良いのだそうです。
 
論語は、約500章の章句が20篇に分割されています。
10分強あれば、2~3篇も読むことが出来ます。(慣れるまでは1篇に10分かかるかもしれません。)
そうであれば、論語を声に出して読むことは、
脳を鍛えるのに最適、と言ってしまっても良いでしょう。
 
その上なお、論語を声に出して読めば、
論語の名文や名言、孔子が苦労に苦労を重ねて得た人生訓が全身に染み渡ることになります。
孔子の教えを自分の行動や判断のよりどころとすることができます。
最初のうちは意味が良く分からなくても、
毎日10分の素読(音読)を繰り返すうちに、自然と分かるようになってきます。

 
子曰わく、故きを温ねて新しきを知る、以て師と為るべし。(為政第二・仮名論語16頁)
孔子先生は言われました。
「過去をよく学び、その上で新しいもの(自分の考えなど)を付け加えば、それは行動や判断のよりどころ(心の師)となるはずだよ。」

 
江戸時代、各地の藩校や寺子屋では、論語素読(音読)されていました。
鍛えられた頭脳が育成されていたということになりましょう。
私たちの祖先が維新の偉業を達成できたのは、
論語素読により鍛えられた頭脳があったから、と言ってしまっても良いのかも知れません。