微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

すべては天から与えられた試練

すべては天から与えられた試練…
(別に深い意味があって書いたのではありません)
 
 
陳に在(いま)して糧(りょう)を絶つ。従者(じゅうしゃ)(や)みて能(よ)く興(た)つこと莫(な)し。子路(うら)み見(まみ)えて曰わく、君子も亦(また)(きゅう)すること有るか。子曰わく、君子固(もと)より窮す。小人窮すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。(衛霊公第十五・仮名論語227頁)
孔子先生が陳に滞在されておりました時、呉が陳を攻める事件に遭い、食糧がなくなってしまうことがありました。お供の人々は飢えて起き上がる気力もなくなってしまっていました。子路は、うらんで腹を立て孔子先生に尋ねました。
「君子でも困窮することがあるのですか?」
孔子先生は答えられました。
「もちろん君子も困窮する。小人は困窮すると取り乱してしまうよ。(君子はどんなに困窮しても平常心を失わない)」
 
 
子曰わく、歳(とし)寒くして、然(しか)る後(のち)に松柏(しょうはく)の彫(しぼ)むに後(おく)るるを知るなり。(子罕第九・仮名論語124頁)
孔子先生が言われました。
「寒さが厳しくなって初めて、松や柏が他の木と違ってしぼまないのが分かる」
 
 
君子は、其(そ)(くらい)に素(そ)して行い、其の外(ほか)を願わず。富貴(ふうき)に素しては富貴に行い、貧賤(ひんせん)に素しては貧賤に行い、夷狄(いてき)に素しては夷狄に行い、患難(かんなん)に素しては患難に行う。君子入(い)るとして自得(じとく)せざる無きなり。(中庸第十四章・仮名中庸21頁)
君子は、自分の地位や立場に基づいて(誠心誠意最善を)行うことだけを考え、その他余計なこと(不平不満)を考えない。裕福だったり高い地位にあれば、それに相応しい最善の行動をとり、貧乏だったり低い地位にあれば、またそれに相応しい最善の行動をとり、未開の地へ行ったときは、その土地に相応しい最善の行動をとり、患難に遭えばそれに対応した最善の行動をとる。要するに君子は、どこへ行っても自分の為せる最善を誠心誠意行うことができるのである。