微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

最初と最後を読めば論語は分かる

論語には
約500もの章句があるが、
ある3つのテーマが何度も
繰り返されている。

その3つとは
1.楽しく学び実践する
2.良き友を持つ
3.君子(立派な人)はどんな人物か?

この3つを見事に
凝縮している章句が
論語全体の最初に
置かれた章句である。


子曰わく、学びて時に之を習う、亦説ばしからずや。朋遠方より来る有り、亦楽しからずや。人知らずして慍みず、亦君子ならずや。(学而第一・仮名論語1頁)
孔子先生が言われました。
「学んだことを時に応じて実践・習得する。なんと喜ばしいことではないか。同じ道を学ぶ友が遠方から来てくれる。なんと楽しいことではないか。自分のことを人に知られなくても、怨むことない。なんと立派な人物ではないか」


この章句は、
論語三大テーマ」が
凝縮されているため、
「小論語」とも言われる。

さらにこの章句は、
論語全体の最後の章句と
つながっている。


孔子曰わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり。(堯曰第二十・仮名論語313頁)
孔子先生が言われました。
「天命を知らなければ、君子の資格は無い。礼を知らなければ、社会に立つことはできない。言葉を知らなければ、人を知ることはできない」


論語全体の最初と最後を
合わせて読むと、

3.君子は天命を知り、
たとえ人に認められなくても、
その実現に努めてやまない人物であり

1.楽しく学び実践する対象は礼であり

2.言葉を知らなければ、
良き友をもつことはできない

と読むことができる。