微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

下町の譲り合い

饅頭(まんじゅう)を20個買ってくるよう少年が母親から頼まれる。
近所の菓子屋には饅頭がちょうど20残っている。
しかし、店主に「よかったな。きょうはもうこれきり作らない」と聞かされた少年は、
「間違えた。やっぱり18個だった」と言って18だけ買った。
帰ってきた少年を母親は「いいことしたね」と褒めた。

このお話は、立川志の輔さんの下町生まれの友達の体験談なのだそう。
下町には大人にも子どもにもそんな感じあったな、と心に残った。

(以上2013/5/22日本経済新聞朝刊「春秋」より)
 
 
譲り合いの心をもって国を治めることはできるはずなのだ。
 
 
子曰わく、能(よ)く礼譲を以(もっ)て国を為(おさ)めんか、何か有らん。能く礼譲を以て国を為めずんば、礼を如何(いか)にせん。(里仁第四・仮名論語42頁)
孔子先生が言われました。
「譲り合いの心をもって国を治めることができれば、何か難しいことが起こるだろうか。譲り合いの心をもって国を治めることができなければ、礼は単なる形式になってしまい、どうしようもないだろう」