微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

ヘイトスピーチ、武士道に反するのでは?

ここ最近、
東京の新大久保や大阪の鶴橋などで
朝鮮人を殺せ!」「出てけ」となどと
ヘイトスピーチ(hate speech)を叫ぶデモが開かれているという。
 
 
竹島問題、戦後処理問題、反日教育、日本文化に対する制限、対馬仏像返還問題などなど
韓国側の対応を見れば「嫌い」になるのは無理もない。
 

しかし、
いくら「嫌い」でも積極的に「嫌い」と叫ぶことは、
日本人が古来培ってきた武士道精神に反するのではないだろうか?
 
 
子貢問うて曰わく、君子もまた悪(にく)むこと有りや。子曰わく、悪むこと有り。人の悪(あく)を称する者を悪む。下に居て上を訕(そし)る者を悪む。勇にして礼無き者を悪む。果敢にして塞がる者を悪む。曰(のたま)わく、賜やまた悪むこと有りや。徼(かす)めて以(もっ)て知と為す者を悪む。不遜にして以て勇と為す者を悪む。訐(あば)きて以て直と為す者を悪む。(陽貨第十七・仮名論語277頁)
弟子の子貢が尋ねました。
「君子でも憎むことがありますか。」
孔子先生が答えられました。
「もちろんあるよ。人の悪いところを吹聴する者を憎む。下位にいて上位の者をけなす者を憎む。勇気があって無作法な人を憎む。そして果敢ではあるが、耳を塞いで道理を聞かない者を憎むよ。賜(子貢)もまた憎むことはあるかね。」
子貢は答えました。
「私は物事をさぐっておいて知ったかぶりをする者を憎みます。傲慢でいてそれを勇気と勘違いしている者を憎みます。そして人の秘密をあばいて正直ぶる人を憎みます。」
 
 
子曰わく、(中略)人にして不仁なる、之を疾(にく)むこと己甚(はなはだ)しければ乱(みだ)る。(泰伯第八・仮名論語103頁)
孔子先生が言われました。
「不仁の人を憎むことが甚だしいと、(自分の心が)乱れる。」