微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

嫌いな人に心を乱されない

前回(http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/7690225.htmlからの続きになります。
 
前回は、不善の人からは嫌われた方が健全だ、と書きました。

だからといって、
不善の人をこちらから積極的に嫌う必要は無いようです。
 

子曰わく、(中略)人にして不仁なる、之を疾(にく)むこと己甚(はなはだ)しければ乱(みだ)る。(泰伯第八・仮名論語103頁)
孔子先生が言われました。
「不仁の人を憎むことが甚だしいと、(自分の心が)乱れる。」
 

人を嫌うことに過ぎれば、
自分の心まで乱れてしまいます。

とはいえ、嫌いな人はストレスの元凶でしょう。
どうすれば、心を乱されずに済むのでしょうか。
孔子は、こんなことを言っています。
 

子曰わく、苟(いや)しくも仁に志せば、悪(にく)むこと無きなり。(里仁第四・仮名論語38頁)
孔子先生が言われました。
「仮にでも仁に志せば、人をいたずらに憎むようなことは無くなる。」
 

子曰わく、唯(ただ)仁者のみ能(よ)く人を好み、能く人を悪む。(里仁第四・仮名論語37頁)
孔子先生が言われました。
「ただ仁者だけが、正しく人を好むことができ、正しく人を憎むことができる。」
 

どうやら、仁に志せば、
心を乱されることなく、
正しく人を好み、正しく人を嫌うことができるようです。
 

では、仁とは、何でしょうか。つづく