微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

いい夫婦は敬す(11月22日)

子どもは、いずれ親元を離れます。

しかし、夫婦は、血縁が無いにもかかわらず、
どちらかが亡くなるまで一生を共に過ごすものであります。
 
あらゆる人間関係の中で夫婦は、
最も長い付き合いになります。
 
 
論語には、
夫婦に関する章句はありません。
しかし、長い付き合いといえば、
こんな論語の章句を夫婦にあてはめることができるように思います。
 

子曰わく、晏平仲善く人と交わる。久しくして之を敬す。(公冶長第五・仮名論語57頁)
孔子先生が言われました。
「晏平仲という人は、人と交際する道をよく心得ていたのだよ。長い付き合いの人にも敬意をもって接していたのだよ。」
 

人と長く付き合っていると、
相手の良くないところが見えてきて、
イライラがたまり、敬意を失ってしまう……。
こういうことは、
とてもよくあることだと思います。
 
上で紹介した章句は、
「相手の良くないところばかりを気にするのではなく、
相手の良いところを尊敬し続ける姿勢が長い付き合いには大切なのだよ」と
孔子先生が教えてくれている章句ような気がします。
 
 
というわけで、今日11月22日は、
妻または夫の良いところを尊敬する日にしてみては如何でしょうか?
 
 
孔子曰わく、益者三楽、損者三楽。礼楽を節せんことを楽しみ、人の善を道(い)うことを楽しみ、賢友多きを楽しむは、益なり。驕楽(きょうらく)を楽しみ、佚遊(いつゆう)を楽しみ、宴楽を楽しむは、損なり。(季氏第十六・仮名論語252頁)
孔子先生が言われました。
「有益な楽しみは3つある。有害な楽しみも3つある。礼楽を楽しみ、人の長所を言うことを楽しみ、賢友が多いのを楽しむのが有益な3つの楽しみだ。おごり高ぶって人を見下すのを楽しみ、怠けて遊びほうけるのを楽しみ、酒盛りにふけるのを楽しむのが有害な3つの楽しみだ。」