微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

ゾゾタウンは言葉を慎重にする?

ファッション通販サイト「ゾゾタウン」は、
今月から送料を無料とした。
 

前澤友作社長は、
Twitterで「ゾゾタウンの送料が高い」などと不満を示したユーザーに対し、
「ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ」などと返信。
 
消費者の反感を買うとの思惑を呼び、株価が急落していた。
 
これまで、
ブランド衣料のネット通販はゾゾタウンの独壇場だった。
しかし、米アマゾンが本格参入し、送料無料を武器にシェアを拡大中という。
 
若手起業家と注目を浴びていた前澤社長の短絡的な発言には、
こうした「あせり」があったのかもしれない。
 
 
こんな論語の章句を思い出した。
 

司馬牛、仁を問う。子曰わく、仁者は其(そ)の言(げん)や訒(しの)ぶ。曰(い)わく、其の言や訒ぶ、斯(こ)れ之を仁と言うか。子曰わく、之を為すこと難(かた)し。之を言うに訒ぶ無きを得んや。(顔淵第十二・仮名論語163頁)
弟子の司馬牛が「仁」について尋ねました。
孔子先生が答えられました。
「仁者は言葉を慎重にするのだよ。」
司馬牛がさらに尋ねました。
「言葉を慎重にする。これくらいで仁と言えるのですか?」
孔子先生が答えられました。
「言葉にしたことを実行するのは難しい。だから仁者は言葉を慎重にせずにはいられないのだよ。」
 

言葉が困難を招くことがある。
それが怒りの言葉であれば、なおさらである。
 

子曰わく、君子に九思(きゅうし)有り。(中略)忿(いかり)には難を思い、(後略)。(季氏第十六・仮名論語255頁)
孔子先生が言われました。
「君子には常に思っていることが九つある。⑧怒りが生じたときにはそれをまき散らすことによる難儀を思うのだよ。」
 

論語を読んでいても成功は約束されない。
しかし、成功した地位を長続きさせることは、約束されているのではないだろうか。