微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

大学は「量より質」?孔子学園では…

田中真紀子文部科学相が大学3校の開設を不認可としたことで
混乱が広がっています。
 
文科省によると、
大臣が大学設置・学校法人審議会の答申を覆して大学の開設を不認可にしたのは、
記録を確認できる過去30年で初めてのようです(11月3日日本経済新聞朝刊)。
 
田中文科相は、大学の「量より質」を高めたいがために不認可としたようです。
 

では、2500年前の孔子学園は、「量と質」はどのようだったのでしょうか。

孔子学園の「量」について考えていると、
こんな章句が思い出されました。
 

子曰わく、束脩(そくしゅう)を行うより以上は、吾(われ)未だ嘗(かつ)て誨(おし)うること無くんばあらず。(述而第七・仮名論語82頁)
孔子先生が言われました。
「束脩(乾肉を束ねたもの)をおさめて入門したからには、教えなかったことは無い。」
 

孔子には、たくさんの弟子がいました。
一説によれば、その数は三千人と言われます。
「量」は豊富だったと言えます。
それでも、孔子学園の「質」は低下していないでしょう。
2500年後の私たちまで、その教えは脈々と受け継がれています。
 

田中文科相は、
現代の大学の量の多さが質の低下につながっていると考えているようです。
しかし、
質については、各大学がそれぞれ磨きをかけるべきことでしょう。
量の多さが質の低下につながるとは思えないですが、いかがでしょうか。