微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

天皇制と民主制の両立

次の章句のように、
天皇陛下が直接政治に携わられることはありません。
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http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/5509489.html

 
子曰わく、巍巍(ぎぎ)(こ)たり。舜(しゅん)・禹(う)の天下を有(たも)てるや。而(しこう)して與(あずか)らず。(泰伯第八・仮名論語106頁)
孔子先生が言われました。
「舜(古代中国の伝説上の聖天子)や禹(舜から天子の地位を譲り受けた夏の開祖)が天下を治められたのは、高く大きく堂々たるものだった。しかも両者とも直接政治に携わらなかった。」
 

子曰わく、無為(むい)にして治むる者は其(そ)れ舜なるか。夫(そ)れ何をか為すや。己を恭しくして正しく南面するのみ。(衛霊公第十五・仮名論語229頁)
孔子先生が言われました。
「自ら政務に当たらずに、天下を治めることができたのは、舜だろうか。では、舜は何をされたのか。ただお身を慎まれて、君主の座(南面)におられただけなのだよ。」
 

古代の聖天子たちは、次のような方法で政治に携わったようです。
 

(前略)舜、天下を有(たも)ち、衆に選びて皐陶(こうよう)を挙げ、不仁の者遠ざかる。湯(とう)、天下を有ち衆に選びて伊尹(いいん)を挙げ、不仁の者遠ざかる。(顔淵第十二・仮名論語178頁)
舜(古代中国の伝説上の聖天子)は天下を治めるのに民衆の中から皐陶という賢人を挙げて用いたところ、不仁の者が自らその姿を潜めた。また、殷の初代・湯王が天下を治めるのに民衆の中から伊尹という賢人を挙げ用いたところ、不仁の者は自らその姿を潜めた。
 

日本国憲法上、総理大臣は国会議員の中から選ばれます。
各省庁の大臣も過半数以上は、国会議員の中から選ばれねばなりません。
国会議員を選ぶ選挙は、天皇陛下を輔弼する人物を選ぶことにもなっているのです。
 
われわれ一般国民は、投票を通じて、
天皇陛下のお側に「不仁の者遠ざかる」ような賢人を送る重大な責務があることを
自覚せねばなりません。
 

現状は残念なことに、「不仁の者」が大臣となり、
国政が滞る事態が頻発しています。
「不仁の者」は選挙の段階でふるい落とされるべきなのです。
 
マスコミの皆さんも、「不仁の者」が大臣となってから騒ぎ立てるのではなく、
選挙の段階で騒いで頂ければ、と思います。