微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

使命が書かれた手紙

子曰わく、吾十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。(為政第二・仮名論語12頁)
 
孔子先生が自身の生涯を振り返って述べている章句です。
15歳を「志学」、30歳を「而立」、40歳を「不惑」、50歳を「知命」、60歳を「耳順」、70歳を「従心」と表現するのは、この章句に由来します。
世界一短く、かつ見事な自叙伝と言われています。
 
空手の指導と論語による徳育を兼ねた瀬戸塾を営んでおられる瀬戸謙介先生は、
この章句にある「五十にして天命を知る」を子供達にこのように教えているそうです。
 
『「人は誰でも生まれたときから、この世の中での使命が書かれた手紙を貰っている」(中略)様々な困難を克服し50になってそれを開くことのできる人物になれるようにと』(「論語の友」平成23年12月号に掲載の『「論語公開講座」報告』より引用しました)
 

この世の中での使命が書かれた手紙を意識し、それを開くに値する人物になれるように努める。
忘れないようにしておきたい言葉です。
 
我、不敏なりと雖も、請う、斯の語を事とせん。