微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

受験生に贈る言葉

受験生に贈るなら、私は次の言葉を選びたい。


冉求曰わく、子の道を説ばざるに非ず、力足らざればなり。子曰わく、力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画れり。(雍也第六・仮名論語71頁)
冉求(冉有)が言いました。
「先生の教えがわからないのではないのです。ただ私が力不足なため、先生の教えを行うことができないのです」
孔子先生が言われました。
「力が足りないかどうかは、力の限り努力してみなければわからない。本当に力の足りない者は、途中で力尽きる。今のおまえは、はじめから自分の力を見限っているだけだ」


子曰わく、学は及ばざるが如くするも、猶之を失わんことを恐る。(泰伯第八・仮名論語106頁)
孔子先生が言われました。
「学ぶときは、まだまだ及ばないような気持ちで学んでいる。それでもなお、その気持ちを失ってしまわないかと恐れている」


人一たびして之を能くすれば、己之を百たびし、人十たびして之を能くすれば、己之を千たびす。果して此の道を能くすれば、愚なりと雖も必ず明らかに、柔なりと雖も必ず強し。(中庸第二十章・仮名中庸50頁)
人が一回で良くできるとすれば、自分は百回やってみる。人が十回で良くできるとすれば、自分は千回やってみる。その結果道を修得できれば、愚かな者でも必ず聡明になり、柔弱な者でも必ず強い。