微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

紂は殷王朝最後の天子。

暴君であった。

周の武王によって討伐された。


堯舜天下を師いるに仁を以てして、民之に従う。桀天下を師いるに暴を以てして、民之に従う。(大学・仮名大学20頁)
古代の聖天子・堯や舜は仁をもって人々を導いた。民はこれに従って、天下に仁が広まった。夏王朝の暴君・桀や殷王朝の暴君・紂は暴をもって民を導いた。民はこれに従って、天下に暴力がはびこった。


子貢曰わく、紂の不善や、是くの如く之れ甚だしからざるなり。是を以て君子は下流に居ることを悪む。天下の悪皆焉に帰す。(子張第十九・仮名論語300頁)
子貢が言いました。
「殷の紂王の悪事は、それほど甚だしいものではなかった。しかし、悪いという評判が広まり、天下の悪が全て彼のもとに集まってしまった。君子たる者は『下流にあることを避けるべき』なのだ」