微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

用を節して(論語、学而第一⑤)

「用を節する」を
支出に減り張りをつける、と解釈する。

そうすると、
夏王朝初代・禹王の人柄を述べた次の章句と合わせて読める。


子曰わく、千乗の国を道くに事を敬して用を節して人を愛し、民を使うに時を以てす。(学而第一・仮名論語3頁)
孔子先生が言われました。
「戦車千台(諸侯)の国を統治するには、仕事に敬意をもって当たり民の信用を得、国費を節約して民を慈愛し、民を使役するのは農閑期を利用するよう心がける」


子曰わく、禹は吾間然すること無し。飲食を菲くして孝を鬼神に致し、衣服を悪しくして美を黻冕に致し、宮室を卑しくして力を溝洫に尽す。禹は吾間然すること無し。(泰伯第八・仮名論語108頁)
孔子先生が言われました。
「禹のお人柄には非の打ち所が無い。自分の飲食を簡素にして祖先の霊や神に孝を尽くし、自分の衣服を粗末にして祭礼の衣服に美を尽くし、自分の宮室を質素にして灌漑用水路に力を尽くした。禹のお人柄には非の打ち所が無い」