微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

恕は思いやりと解釈されるが、

恕は一般的に
思いやりと解釈される。
 
だが恕は、
「心の如く」と書く。
 
したがって、
相手の心の如く、
相手の立場に立って考えること
と解釈する方が正解かもしれない。
 
 
子曰わく、参や、吾が道はを以て之を貫く。曽子曰わく、唯。子出ず。門人問うて曰わく、何の謂ぞや。曽子曰わく、夫子の道は忠恕のみ。(里仁第四・仮名論語43頁)
孔子先生が曽先生に言われました。
「私の教えは、つ』のことで貫かれているのだよ」
曽先生はすかさず、「はい」とだけ答えました。
孔子先生が出てゆかれると、他の弟子が曽先生に問いかけました。
「『つ』とはどういう意味でしょうか?」
曽先生は答えました。
孔子先生の教えを貫くものは、
忠恕(まごころから相手を思いやる気持ち)のみだよ」
 
 
子貢問うて曰わく、言にして以て身を終うるまで之を行うべき者有りや。子曰わく、其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿れ。(衛霊公第十五・仮名論語237頁)
子貢が尋ねました。
「生涯行っていくべき大切なことを、たった一言で表すとすれば、何でしょうか?」
孔子先生が答えられました。
「それは恕というものだろう。自分にされたくないことは、他の人にもしないことだよ」