微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

デキるというだけで人を引き立てていないか?

仕事がデキる。
 
だからといってそれだけで、
人の上に立たせてはならない。
 
どんなに仕事がデキても
人の上に立たせては
いけない人物はいる。
 
パワハラとか社内イジメが
問題になるのは
能力主義の下、
デキるか否かだけで
人を引き立てているから
なのではないか?
 
 
子夏曰わく、君子、信ぜられて而して後に其の民を労す。未だ信ぜられざれば則ち以て己を厲(や)ましむと為す。信ぜられて而して後に諫む。未だ信ぜられざれば則ち以て己を謗ると為す。(子夏第十九・仮名論語295頁)
弟子の子夏が言いました。
「上司が部下を働かせるには、部下から信頼されてからにした方が良い。まだ信頼されていないのに働かせてしまうと、部下は嫌がらせを受けていると感じてしまうだろう。部下が上司を諫めるのは、上司から信頼されてからにした方が良い。まだ信頼されてもいないのに諫めると、上司は誹謗されたと感じてしまうだろう」
 
 
哀公問うて曰わく、何を為さば則ち民服せん。孔子(こた)えて曰わく、直きを挙げて諸(これ)を枉(まが)れるに錯(お)けば則ち民服す。枉れるを挙げて諸を直きに錯けば則ち民服せず。(為政第二・仮名論語19頁)
哀公(魯国の君主)が孔子先生に問いました。
「どうすれば民は私のことを信頼して心から服してくれるだろうか?」
孔子先生が答えられました。
「正しい人を引き立て、曲がった人のうえにおけば、民は心から服しましょう。しかし、曲がった人を引き立て、正しい人の上におけば、民は心からは服しません」