微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

まずは自分を大切に

まずは自分を大切にする。
 
自分を大切にすることは
親の気持ちを思いやることになる。
親の気持ちを思いやることは孝。
孝は仁の第一歩である。
 
 
曽子、疾有り。門弟子を召して曰わく、予が足を啓け、予が手を啓け。詩に言う、戦戦兢兢として深淵に望むが如く、薄氷を履むが如しと。而今よりして後、吾るるを知るかな、小子。(泰伯第八・仮名論語99頁)
曽先生が病に伏し、弟子たちを集めて言いました。
「私の手や足を出して見てごらん。詩経に『恐れおののいて深い淵を見下ろすように、薄い氷の上を歩くかのように』とあるように、私は父母から頂いたこの体に傷一つ付けないように生きてきた。でも、これからはもうそんな気を遣う必要がなくなるのだよ、みんな」
 
 
有子曰わく、其の人と為りや、孝弟にして上を犯すを好む者は鮮なし。上を犯すを好まずして乱を作すを好む者は未だ之れ有らざるなり。君子は本を務む、本立ちて道生ず。孝弟なる者は、其れ仁を為すの本か。(学而第一・仮名論語1頁)
有先生が言いました。
「人柄が孝弟な者に、目上に逆らうことを好むような者は少ない。目上に逆うことを好まない者で、世の中を乱すことを好む者はいない。君子は本を大事にする。本がしっかりすれば道が開ける。孝弟は仁を成し遂げる本であろうか?」