微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

過度の贅沢は要らない

孔子先生も衣食住の充実を考えていた。
http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/10801678.html

とはいえ、
次の章句も忘れてはならない。

君子の道を進めば、
過度の贅沢をしようなどとは思わなくなるのだろう。
 
 
子曰わく、君子は食(しょく)(あ)くを求むること無く、居(きょ)安きを求むること無し。事に敏にして言に慎み、有道(ゆうどう)に就(つ)きて正す。学を好むと言うべきのみ。(学而第一・仮名論語8頁)
孔子先生が言われました。
「君子は飽きるほどたくさん食べることを願わず、家で安穏とすることを願わない。機敏な行動や慎重な発言を心がけ、人としての道を志す者に従い自らを正す。このような人こそ、学を好むと言える」
 
 
子曰わく、士、道に志して、悪衣悪食を恥ずる者は、未だ与(とも)に議(はか)るに足らざるなり。(里仁第四・仮名論語41頁)
孔子先生が言われました。
「人としての道に志しながら、粗衣粗食を恥じるようでは、共に語り合うには足らない」
 
 
君子は、其(そ)(くらい)に素(そ)して行い、其の外(ほか)を願わず。富貴(ふうき)に素しては富貴に行い、貧賤(ひんせん)に素しては貧賤に行い、夷狄(いてき)に素しては夷狄に行い、患難(かんなん)に素しては患難に行う。君子入(い)るとして自得(じとく)せざる無きなり。(中庸第十四章・仮名中庸21頁)
君子は、自分の地位や立場に基づいて(誠心誠意最善を)行うことだけを考え、その他余計なこと(不平不満)を考えない。裕福だったり高い地位にあれば、それに相応しい最善の行動をとり、貧乏だったり低い地位にあれば、またそれに相応しい最善の行動をとり、未開の地へ行ったときは、その土地に相応しい最善の行動をとり、患難に遭えばそれに対応した最善の行動をとる。要するに君子は、どこへ行っても自分の為せる最善を誠心誠意行うことができるのである。