微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

寒い日は心を強くする(3/3)

前回からの続きです。
(前回
http://blogs.yahoo.co.jp/rihito141/8075663.html
 
どうすれば、自分の心を真っ直ぐにできるのでしょうか。
 
 
真っ直ぐにすることは、
正しくすることと同じです。
「正」という漢字が、
目標の線(一)を目指して足(止)が真っ直ぐに進む様子を示している(漢字源)からです。

自分の心を真っ直ぐにすること=自分の心を正しくすること、となります。

心を正しくするといえば、
次の大学の言葉が思い出されます。
 
 
(いにしえ)の明徳を天下に明らかにせんと欲する者は、先(ま)ず其(そ)の国を治む。其の国を治めんと欲する者は、先ず其の家を斉(ととの)う。其の家を斉えんと欲する者は、先ず其の身を修む。其の身を修めんと欲する者は、先ず其の心を正しうす。其の心を正しうせんと欲する者は、先ず其の意(こころばせ)を誠にす。其の意を誠にせんと欲する者は、先ず其の知を致す。知を致すは物を格(ただ)すに在り。(大学・仮名大学2頁)
昔、自分の徳を広く天下に発揮しようとした者は、まず自分の国内で発揮した。自分の国内で発揮しようとした者は、まず自分の家内で発揮した。自分の家内で発揮しようとした者は、まず自分の身を修めた。自分の身を修めようとした者は、まず自分の心を正しくした。自分の心を正しくしようとした者は、まず自分の感情を誠にした。自分の感情を誠にしようとした者は、まず自分の知を極めた。知を極めるとは、物事の本質を突き詰めることである。
 
 
どうやら心を正しくするには、
自分の感情を誠にし、知を極めることが必要のようです。

この「知」とは、
「矢+口」で構成され矢のように言い当てることを示しています。
何を言い当てるかといえば、物事の本質のようです(漢字源)。
そうすると「知」とは、物事の本質を知ること、となります。
そしてその「知」を「極める」とは、
「物事を本質から考える訓練」ということになるかと思います。

こうして、物事を本質から考える訓練をしていれば、
やがて自分自身のことも本質から突き詰めて考えることができるようになるのでしょう。

そして、自分自身のことを突き詰めて考えることができるようになれば、
いつしか自分に与えられた天命を知ることができ、
逆境にも負けない強い心・大志を持てるようになるのではないでしょうか。

もっとも、
番外編へつづく
(番外編
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