微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

対照的な年賀状

突然の年賀状が二通。
一つは、昔の恩人から頂いた嬉しい年賀状。
もう一つは、昔迷惑をかけられた人からの困った年賀状。
この二通の年賀状に返事を考えていると、ふと論語のこの章句が浮かんだ。
 
 
或るひと曰わく、徳を以て怨に報いば如何。子曰わく、何を以てか徳に報いん。直きを以て怨に報い、徳を以て徳に報いん。(憲問第十四・仮名論語219頁)
ある人が「徳をもって怨みに報いるという言葉がありますが、先生はどうお考えになりますか。」と尋ねた。
孔子先生が答えられました。
「怨みに対し徳をもって報いてしまっては、徳に対しては何をもって報いれば良いのか。怨みに対しては真っ直ぐな正しさで報い、徳に対しては徳をもって報いるのが良いと思うよ。」
 
 
この章句を実践した年賀状を書くことにしました。
 
昔迷惑をかけられた人に対しては、「直きをもって」書いた年賀状を送りました。
本当は返事したくなかったのですが、、、。
 
昔の恩人には、心を込めて、年賀状の返事を書かせて頂きました。
「徳をもって報いる」ことができたかな……。