微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

禹は吾間然すること無し(論語、泰伯第八㉑)

禹はから天子の位を譲り受け、
夏王朝を開いた。

孔子は禹を「間然すること無し」と評している。

「間然」とは、非難を加える間があること。

その間が無いのだから、
非難することができないという意味になる。

舜と同様、孔子が尊ぶ天子である。


子曰わく、禹は吾間然すること無し。飲食を菲くして孝を鬼神に致し、衣服を悪しくして美を黻冕に致し、宮室を卑しくして力を溝洫に尽す。禹は吾間然すること無し。(泰伯第八・仮名論語108頁)
孔子先生が言われました。
「禹のお人柄には非の打ち所が無い。自分の飲食を簡素にして祖先の霊や神に孝を尽くし、自分の衣服を粗末にして祭礼の衣服に美を尽くし、自分の宮室を質素にして灌漑用水路に力を尽くした。禹のお人柄には非の打ち所が無い」


子曰わく、巍巍乎たり。舜・禹の天下を有てるや。而して與らず。(泰伯第八・仮名論語106頁)
孔子先生が言われました。
「舜や禹が天下を治められたのは、堂々たるものだった。しかも両者とも、直接政治に携わらなかった」