微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

不妊治療で学んだこと

結婚して長く
子どもができなかった。
不妊治療の病院へ行った。
私にも妻にも
不妊の原因は無かった。
 
まずはタイミング療法で
様子を見る。
なぜか妊娠には至らず。
さらに人工受精、胚移植
段階を踏むものの、
妊娠には至らず。
最終段階の胚盤胞移植となった
 
良質の受精卵が4個できた。
胚盤胞まで育ったのは
たった1個だった。
その1個さえも
その後確実に成長する保証は無い。
幸いにも妊娠、
そして元気な赤ちゃんとなって
生まれてきてくれた。
 
子どもはやはり
授かるものと痛感した。
子どもを授かることは
当たり前ではなく、
本当に有難いことなのだと
学ぶことができた。
 
 
子曰わく、苗にして秀でざる者あり。秀でて実らざる者あり。(子罕第九・仮名論語121頁)
孔子先生が言われました。
「苗になっても穂が出ないものがある。穂が出ても実らないものもある…」
 
 
司馬牛、憂えて曰わく、人は皆兄弟有り、我独り亡し。子夏曰わく、商之を聞く、死生命有り、富貴天に在り。君子は敬(つつし)みて失うこと無く、人と与(まじわ)るに恭しくして礼有らば、四海の内、皆兄弟なり。君子何ぞ兄弟無きを患えんや。(顔淵第十二・仮名論語164頁)
司馬牛が悲しみ嘆いて言いました。
「みな兄弟がいるのに私にはいない…」
そんな司馬牛に子夏が言いました。
「私は『人の生死や富貴は全て天命』と聞いている。君子は、敬意を忘れることなく、謙虚に礼をもって人と交われば、世の中の人はみな兄弟になる。君子は、兄弟がいないことなど気にする必要無いのだ」