前回見てきたように、
変化に適応できなければ、
生き残ってゆくことはできない。
とも言われる次の章句。
環境の変化に適応することの
大切さを説いたものとして
次のように解釈することで
活用可能となるかと思う。
色みて斯に挙り、翔りて而して後に集まる。曰わく、山梁の雌雉、時なるかな、時なるかな。子路之を共す。三たび嗅ぎて作つ。(郷党第十・仮名論語139頁)
山の橋のたもとにいたキジが人の気配を察知して飛び立ち、頃合いを見計らってまた舞い降りました。孔子先生がこれを見て言われました。
「人もあのキジと同じように、時宜に応じた対応を心がけたい」
弟子の子路は「時」の意味を「キジを捕まえる時」と勘違いして、罠を仕掛けました。キジは三度その罠の餌の匂いを嗅ぎましたが、飛び去ってしまいました。