微庵の論語メモ

現代語訳は可能な限り原文に忠実に、かつ分かり易くを心がけております。

自分探しはするべきと思うが…

自分は自らを分けると書く。
 
人間は人の間と書く。
 
人と人との間で切磋琢磨をして
初めて自分を他人と
分けることができ、
自分というものが分かる
のではないだろうか?
 
 
子貢曰わく、貧しくして諂うこと無く、富みて驕ること無きは如何。子曰わく、可なり。未だ貧しくして道を楽しみ、富みて礼を好む者には若かざるなり。子貢曰わく、詩に言う、するが如く磋するが如く、琢するが如く磨するが如しと。其れ斯を之れ言うか。子曰わく、賜や、始めて与に詩を言うべきのみ。諸に往を告げて来を知る者なり。(学而第一・仮名論語9頁)
子貢が言いました。
「貧乏でも人にこびへつらうこと無い者や、お金持ちでも傲り高ぶらない者は立派な人と言えるでしょうか?」
孔子先生が答えられました。
「まあ良いだろう。しかし、貧しくても人の道を楽しむ者や、お金持ちでも謙虚に礼を好んで行う者には及ばないよ」
子貢がさらに言いました。
詩経には、『切するが如く、磋するが如く、琢するが如く、磨するが如く、(怠ることなく道にはげむ)』とありますが、このようなことを言うのでしょうか?」
孔子先生が言われました。
「賜(子貢の名)よ、お前と初めて詩を語ることができた。一つのことを教えたら、すぐに次のことを連想することができるのは、お前だね」